カナダ生活1⃣
- 髙田蓮

- 2024年12月17日
- 読了時間: 3分
更新日:7月12日
英語講師としての視野を広げるために、私はカナダ・トロントへ留学することを決意しました。今回は、その経験について少しずつお話ししていこうと思います。
当時の主な目標は以下の4つでした。1⃣ 海外で働くこと2⃣ 語学学校で授業を受けること3⃣ ホームステイを通じて現地の生活を体験すること4⃣ 趣味である卓球や音楽を通して文化に触れること
今回は、この中でも「1⃣ 現地で働くこと」について書かせていただきます。
2024年当時、トロントで仕事を見つけるのは非常に困難でした。その背景には、コロナ禍の反動により移民の受け入れが急増していたことがあり、完全に「買い手市場」の状態だったのです。TTC(トロントの公共交通機関)は利用者過多で、通勤時間帯は日本の山手線のような混雑ぶりでした。このような状況からも、職探しがどれほど競争の激しいものであったかがおわかりいただけるかと思います。
あるレストランに面接に行った際には、応募者が長蛇の列をなしており、倍率は30倍とも言われました。「このままでは埒が明かない」と判断し、面接でマネージャーと連絡先を交換できた店舗には、結果を待たずにひたすら電話をかけ続けました。粘り強く行動した結果、なんとか3つの仕事を得ることができました。その中でも、念願だった完全英語環境のローカルレストランでの仕事には大きな期待を寄せていましたが、残念ながらその店舗は給料の支払いもまともに行わないような、いわゆる「違法営業」の店でした。最終的には、安定を求めて日系レストラン(いわゆる「ジャパレス」)で働くことに落ち着きました。
違法経営のレストランについては、トロントでは少なからず存在していました。ワーキングホリデーや就労ビザで来ている方の中には、将来的に永住権の取得を目指して働いている方も多くいらっしゃったのですが、永住権の申請には、就労先の企業が政府の審査を通過していることが条件の一つとなっているため、もし違法な企業で働いていた場合、申請そのものが認められないリスクがあります。ブラックな企業で働いているとビザが取得できないのです。実際に、何年も激務に耐えて働いてきたにもかかわらず、「ビザが下りない」という事態に直面した方のお話も聞きましたし、マネージャーさんの態度を含め、ワーホリなめられているなあと感じました。
話を戻します。日系レストランでの仕事はというと、決して楽なものではありませんでした。わたしが働いていた所では、ラーメン店とカフェが併設された店舗で、ホール業務、キッチン補助、レジ対応、Uber Eatsの管理、仕入れ・発注業務などを、すべて同時にこなす必要がありました。さらにはレジ締めまで任されていたため、休憩なしで12時間以上働くことも珍しくありませんでした。
そのような過酷な環境では、仕事のスピードと正確さが求められ、どちらか一つでも欠けていたら厳しい指摘を受けることもありました。結果的に長く続いているスタッフは、皆さん本当に「鉄人」のような方ばかりで、特に洗い場担当の方の手の動きは目で追えないほどで笑ってしまいました。彼らのプロフェッショナリズムには、ただただ感心するばかりです。
このように、海外で働くということは決して甘いものではありません。ワーキングホリデーを検討されている方には、飲食業以外の職種に就けるよう、事前の準備をしっかり行うことをおすすめします。たとえば私であれば、日本語教師としての道を選ぶかもしれません。その場合は、必要な資格の取得とビザの申請準備が必要です。この点についても、また機会がありましたら改めてお話しさせていただきます。

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