個別指導の勧め
- 髙田蓮

- 1月8日
- 読了時間: 3分
塾の悪徳ビジネスについて
集団授業の内容は、成績上位約10%の生徒に合わせて作られており、それ以外の生徒は「カモ」にされているのが実情です。塾が合格実績を挙げるために優秀な学生をターゲットにするのは仕方のないことかもしれませんが、それが生徒全体のためになっているとは言い難い現状があります。
わたし自身も、学生時代、某大手の集団塾で苦手な数学を受講していましたが、授業内容が難しすぎてまったく理解できませんでした。「これを続ける意味があるのか」と疑問を抱きつつも、流されるままに授業を受けていました。その結果、成績が伸びることはありませんでした。
たとえクラス分けがあっても、大都市の大きな校舎ですらクラスは3つ程度で、生徒一人ひとりの能力に合わせたきめ細かい指導は期待できません。授業の合間に講師に質問する時間は設けられていましたが、わずか10分程度しかなく、多くの生徒がその時間を独占してしまい、質問できなかった記憶があります。また、相談役のチューターも受験について十分理解しておらず、頼りない印象を受けました。
印象的なエピソード
当時、多くの生徒が「カモ」にされていると感じた印象的なエピソードがあります。受験直前期、塾で過去問をコピーしていた際に、隣で志望校の赤本の一部分だけをコピーしている生徒を見かけました。不思議に思い理由を尋ねたところ、彼は一番下のクラスに所属しており、「難しいと感じたらそうするように」と講師から指示されていたそうです。この話を聞いて、私は衝撃を受けました。
直前期においては、どんなに難しくても志望校の問題は最初から最後まで通して解くべきです。もしそれが難しい場合は、解けるレベルの学部に絞って問題演習をするのが基本です。この時期はシミュレーションを通じて最終確認をするべき段階だからです。しかし塾側は、合格実績を作れない生徒に関してはどうでもよく、「やっている感」を与えるだけで満足しているように感じました。生徒一人ひとりの未来について真剣に考えていないのだと痛感しました。
個別指導のメリット
受験は情報戦です。効果的な勉強法、合格しやすい方式や学部など、必要な情報を知ることが大切です。現在では、インターネットを通じて簡単に情報を得ることができます。そのため、必要なのは「個人にカスタマイズされた指導」です。具体的には、以下の3つが重要です。
メンタルケア
講師共同の進捗確認
苦手分野の克服
これらを実現できるのが個別指導の強みです。
集団塾のメリット
一方で、集団塾にもメリットがあります。それは「競争心理」を刺激できることです。授業中にわからない点を仲間同士で話し合ったり、お互いに問題を出し合ったりすることで、学習へのモチベーションを高めることができます。そこで、わたしの授業でもこのようなディスカッションの時間を取り入れています。こうすることで、個人差はありますが着実に成績は伸びますし、入試直前に「こんなはずじゃなかった」という事態を防ぐことができます。
結論
生徒の成績や未来を真剣に考えるのであれば、集団塾のシステムだけでは限界があるのは明らかです。集団授業を受けるにしても、個別指導を通して、本人の意思と実情に齟齬のない学習環境を作ることが、真に生徒のためになる指導ではないでしょうか。

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